Everyone could be facilitators!誰でもファシリテーターになれる!失敗を防ぐ為の4つのお道具
ブログでつなぐアドベントカレンダーもいよいよ19日目となり、自分は何をアップデートしようかと考えあぐねましたが、ファシリテーションは誰でもできるのが理想的と常日頃考えています。もちろん、ファシリテーションのトレーニングを受けたり、本を読んだりして知識を得ることもファシリテーターとしての一歩を踏み出すのに大変有効だと思いますが、今日は、私がファシリテーションする時に、特にこれがあると便利、助けられたと思うツール(道具)を4つ紹介させていただきます。
【お道具1】砂時計 ← もちろんタイマーも必要ですが、砂時計もなかなか大好きです。↓は愛用の30分砂時計
私がよく使うのは、社内ミーティングなどで、限られた時間内でアウトプットを出したい時など、机の真ん中にドンと30分砂時計を置きます。もちろん、最初にミーティングの目的やら背景やらを共有しなければならないので、はじめから使いません。議論のパートにはいる際に、この30分で全員が意見を出し合えるよう、可視化できる時間管理のツールとして置いています。そうすると、ファシリテーターやタイムキーパーの人だけでなく、参加者全員が、“時間”を意識してくれるという効果があります。だらだら会議はファシリテーターである自分だけがハラハラするのではなく、砂時計ちゃんにもしっかり助けてもらっています。
【お道具2】トーキングスティック ← 私の場合は、↓のぶたちゃんですが。
みなさんご存じトーキングスティックですが、私はこのように手にすっぽりはいるサイズのぶたちゃんのぬいぐるみ(ストレスボール的に手でふにゃふにゃできるもの)を何匹もお道具箱にいれています。
これは、やはり、発言が少なくなった時にこのぶたちゃんをもった人に意見を言ってもらったり、話してもらったりするのに可愛いキャラクターなので場が和んでリラックスして話ができるようです。また、“人の話をさえぎらない”というルールにも使え、誰かがぶたちゃんを持って話してる時はしっかり聞くというルールを可視化できます。
日本ではあまりありませんが、外国人を相手にファシリテーションする時は、意見が活発すぎるので、このぶたちゃんの取り合いになることもしばしば経験し、ぶたちゃん大活躍でした。ただし、グローバルな環境では宗教的に特定の動物を使わないほうが良い場合があるのでその点は注意しましょう。
研修などで長い間このぶたちゃんにお世話になると、研修の最終日に、このぶたちゃん下さいと言いにきてくれる受講者がよくいます。自分たちの手あかがついたよれよりになったぶたちゃんをあえて自分のそばにおいておきたいようです。というわけで、私は常に10匹以上のぶたちゃんをストックとして持っています。
【お道具3】パーキングロット ← 駐車場という意味ですが、こんな↓風に用意します。
これもファシリテーターの方たちはよくご存じだと思いますが、これさえあれば、ほとんどの場合、どんな修羅場にも対応できる強いみかたです。逆に、ファシリテーションに失敗して自己反省する時は、手抜きをしてパーキングロットを作らなかったからだという場合が多いです。
一応、研修における“パーキングロット”が何かということをご説明させていただきますね。私はたいてい、模造紙を一枚(もしくは半分)に“パーキングロット”と書いて壁に貼っています。もちろん、ホワイトボードの片隅に、”パーキングロット“のスペースを作ってもOK。
(使い方)
- 研修などで受講生からでた質問・疑問でどうしても自分で答えられない場合、“あとで確認してご連絡しますね”と、ポストイットに内容をメモしここに貼る。
- 議論が脱線してしまい、その場で議論する内容でない場合にも、ここにそのトピックをポストイットなどに書きぺたりと貼ります。その時は脱線したと思っても、あとで議論の伏線になっている場合もあるので戻っていけます。また、その脱線をしてしまった人も自分が発言したことが忘れられないで取り上げられたと認知することができます。
- シャイで発言できない人、後で何か思いついたり質問したい事が出てきた時に、休み時間などにポストイットに書いて貼ってもらう。
(重要ポイント)
必ず、研修、ワークショップ、ミーティングの最後に、パーキングロットに入れたものが全て解決しているか、もしくは、その課題は今後どこの場で取り扱うか、などを一ずつ全員でチェックすること。
【お道具4】Points of You® ← 詳しくは https://www.points-of-you-asia.com/ja/
ダニエル・キム教授の組織の成功循環モデルはご存知だと思いますが、どんなに時間がタイトな場合でも、やはり最初の関係の質作りをとばすと、ファシリテーションに失敗する事が多いです。なので、最初のチェックインは必ずしますが、最近は、Points of You®の写真カードも大変助けになるのでいつも持ち歩いています。
チェックインの時、“今の気持ちを共有してください”で、“今の気持ちを表現しているカードを一枚選びそのカードを通して今の気持ちを共有してください”と、いうように使っています。もしくは、“今日この時間で得たいものはなんですか?”など。自分が言語化しようと思っていた事を、写真で視覚を刺激することにより、今の自分の状態を自己洞察(Inner Research)する事ができます。従って、これはチェックインだけではなく、もちろん、チェックアウトでも有効で、セッションに入る前後の本人自身へのアクセスを促すのに大変助けになります。
というわけで、私がファシリテーションで数々の失敗における反省も含め、ファシリテーターとして、“安全な場創り”の助けとなるお道具を4つご紹介させていただきました。もし、まだ使ったことがないお道具があれば是非一度お試しください。